FX取引における決済注文パターンの種類と方法(前編)

FX取引における決済・注文パターンの種類と方法

FXの取引は、「買った」外貨は必ず「売り」、
「売った」外貨は必ず「買い戻す」ことで1回の取引が成立します。

新規注文した『反対の売買』をすることによって、利益、あるいは損失が確定します。

FXで新規に取引した場合、「新規のポジションを持つ」、あるいは「新規の建玉を保有する」などといいます。

買った場合であれば、
「買いポジション」または「買い建玉」

売った場合であれば、
「売りポジション」または「売り建玉」

といいます。

FX取引における多彩な決済注文方法


FXの取引では、新規ポジションを持つ場合や利益(損失)を確定する場合の決済注文方法が豊富に用意されています。

為替相場が思惑通りに動いたケースでは、

できるだけ利益を確実に確定したい、その逆に思惑と反対方向に向かってしまうケースを想定して、あらかじめ損失を限定する場合など、いろいろな注文方法を駆使して利大損小を企てます。

投資ではお馴染みの「成行」「指値」「逆指値」といった定番の注文方法。

「成行注文」は、
レートを指定せずに注文する方法。

「指値注文」「逆指値注文」とは、
ともに買いたい(売りたい)レートを指定して注文する方法です。

「指値注文」は、指定した為替レートよりも低くなったら買い、または、指定した為替レートよりも高くなったら売ります。

「逆指値注文」は、指定した為替レートよりも高くなったら買い、または、指定した為替レートよりも低くなったら売ります。

これらのメリットとデメリットはどうなっているのでしょうか。

ではこれから先、それぞれの注文形態に関して少し詳しく述べてゆきたいと思います。

決済注文方法①
成行(なりゆき)注文


成行注文は、「今表示されている値段(為替レート)で買いたい・売りたい」という時に有効な注文方法です。

レートを指定せず、為替動向を見ながらに注文する方法ですから、すぐに注文を出せて、売買も成立しやすいという特徴があります。

株の売買では「金額は幾らになってもいいので、買いたい・売りたい」という時に使われるのが成行注文ですが。

FXの場合は「現在の価格でスグに売買する」という意味合いを持ち、「マーケット注文」「プライスオーダー」「クイックトレード」「リアルタイムトレード」などと呼ばれることもあります。

実際の取引(インターネット取引)では、「売り」と「買い」の値段が両方表示されますから、値動きを確認しながら、為替レートを指定せずにどちらかをクリックすれば注文完了です。

たとえば、1ドル=115円50銭(bid)-115円55銭(ask)というレートであれば、

ドルを「成行で買い注文」すれば、
1ドル=115円55銭で買うことができて、

ドルを「成行で売り注文」すれば、
1ドル=115円50銭で売ることができます。

表示された値段が気に入らない、あるいは瞬時に急激な変動が起こった場合は、値段を再表示させて注文することが可能です。

成行注文の注意点

相場は常に動いていますので、
為替レートもリアルタイムで変動します。

成行注文は、「確実に売り買いが成立する」メリットがある反面、幾らで売買されたかは、「約定されたあとでなければ分からない」というデメリットもあります。

上記の例で、1ドル=115円50銭-115円55銭というレート表示のときに、成行で買い注文を発注したら、約定レートが115円54銭だった』。

こういう結果だったら大歓迎です。

しかし、『約定してみたら115円56銭だった』では納得がいかないかもしれません。

今表示されている値段(為替レート)で売買したい」というときに発注できるのですが、

相場が大きく変動している時など、頻繁にレートが変わる局面では、約定ボタンを押した時にレートが変わってしまった場合でも、ついた値段で約定します。

買い注文では → 表示レートよりも高く買う

売り注文では → 表示レートよりも安く売る

というように、成行注文では現在のレートを指定して注文を出すことができませんから、現在の表示レートよりも不利な条件での約定になる確率が高くなります。

成行注文のメリット・デメリット

決済注文方法②
指値注文


指値注文」は、「売りたい価格・買いたい価格」を指定して取引する方法です。

為替市場は絶えず変動し続けていますから、レートが常に自分が取引したい価格だとは限りません。

納得した値段で取引したい、パソコンの前でじっと待つ時間がない人は、この「指値注文」が便利です。

たとえば、1ドル=99円前後で変動している時に、1ドル=100円まで上がったら売りたいという希望がある場合、『1ドル=100円で指値売りオーダー』を出します。(上図・左)

その逆に、1ドル=100円前後で変動している時に、1ドル=99円まで下がったら買いたいという希望があるとした場合、『1ドル=99円で指値買いオーダー』を出します。(上図・右)

このように、指値注文は「今よりも高いレートで売りたい、今よりも低いレートで買いたい」場合に取引できる便利で都合の良い注文方法なので、利益を確定する注文にも利用されます。

また、指値注文はリミット注文と呼ばれることがあります。

では、1つの取引パターンで見てみましょう。

指値注文の活用例-1(買い注文から入る場合)

現在の価格が1ドル=100円の時、1ドル=99円で『新規の買い指値注文』を出しました。

めでたく約定し、1ドル=99円の買いポジションを持つことに成功です。

レートが上がりはじめたので、1ドル=101円で『決済の売り指値注文』出しておきました。

相場が上昇して、1ドル=101円に到達した時点で注文が約定し、2円の利益確定です。

指値注文の活用例-2(売り注文から入る場合)

現在の価格が1ドル=100円の時、1ドル=101円で『新規の売り指値注文』を出しました。

めでたく約定し、1ドル=101円の売りポジションを持つことに成功です。

レートが下がりはじめたので、1ドル=99円で『決済の買い指値注文』出しておきました。

相場が下降して、1ドル=99円に到達した時点で注文が約定し、2円の利益が確定しました

指値注文の注意点

上記の買いから入る場合の例で「1ドル=99円の指値で買い注文」を出したケースでも、自分が思ったとおりに為替が変動(円高が進行)しない場合があります。

こういう場合は、
なかなか取引が成立(約定)しません。

指値のレートが為替レートとかけ離れるほど、注文が成立する確率が低くなります。

為替レートが指値のレートに達しないと、
いつまでも売買ができないということ。

できるだけその時のレートに近い水準で指し値注文をする方が、約定する確率が高くなります。

指値注文のメリット・デメリット

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