前回のコラムでファンダメンタルズ分析の概要について触れましたが、ここではファンダメンタルズ分析に登場する専門用語と指標を解説したいと思います。

専門用語①
リスクオン・リスクオフ

 


FXでは、「リスクオン(リスク選好)」と「リスクオフ(リスク回避)」という言葉をよく聞きます。

リスクオンとは、
「人々が積極的にリスクを取りに行くこと」

リスクオフとは、
「人々がリスクを嫌う行動を取ること」

トレードの世界に当てはめれば、

リスクオンでは、投資家がリスク覚悟で積極的にリターンを追及する姿勢をとるようになり、リスクオフでは、高いリターンよりもリスクを抑え資産を守る姿勢をとるようになります。

リスクオン=円安ドル安、リスクオフ=円高ドル高

リスクオンの流れが強くなると、オーストラリアドルやニュージーランドドル等の高金利通貨やユーロ、ポンド等の通貨、いわゆるリスク資産が強くなり、ドルや円といった安全資産とされる通貨が弱くなる傾向にあります。

つまり、

ドル安、円安の流れが強くなるということ。

これとは反対に、リスクオフの場合は、高金利通貨やユーロ、ポンド等が売られ、ドルと円が強くなる傾向にあります。

ドル高、円高の流れです。

リスクオン、リスクオフの流れに強く作用するのが、様々な経済指標、それから株価です。

ある経済指標でポジティブな結果が出た場合には、リスクオンの流れが強まり、ドル安、円安に振れることが多くあります。

逆に経済指標の結果がネガティブなものであれば、リスクオフの流れが強まることになります。

例えば、ある経済指標の発表があり、予想より悪い結果が出てしまった場合の投資家の行動としては、

「このまま経済は減速してしまうかもしれない。このままリスク資産を持っていれば、大きな損失を被ってしまう危険性がある。保有しているリスク資産を売って、安全資産の比率を高めよう」となるワケです。

こうなれば、為替の世界においては、資源国通貨のようなリスク通貨が売られ、ドルや円の需要が高まり、ドル高、円高となります。

また、株価が上昇している場合にはリスクオンの流れが強まり、株価が下落している場合にはリスクオフの流れが強まる傾向にあります。

株価は為替市場にも大きな影響を及ぼしますので、FXをする場合にも関係ないと思わず、必ずチェックしましょう。

リスクオンとリスクオフの流れは、
頻繁に変わります。

この流れを決めるのは、経済指標や株価、更には自然災害や地政学的リスクといった要因です。

ファンダメンタルズ分析全般に言えることですが、

サプライズ的なニュースや出来事が原因で相場の流れが正反対の方向に動き出すことはよくあることですので、トレード中は特にニュースに敏感になっておく必要があります。

経済指標②
政策金利指標

 


政策金利とは、
世界各国の中央銀行が発表をします。

アメリカの場合は日本銀行のようなものがないので、政策金利は連邦公開市場員会、米FOMCが発表します。

政策金利とは、中央銀行が地方銀行にお金を貸し出す際の金利のことです。

政策金利を中央銀行がコントロールすることによって、経済対策として経済の安定化を図ります。

景気が良すぎても悪すぎても悪影響が出るため、
バランスを取ろうとする訳です。

FX取引に関係する部分では、政策金利が変わると2ヶ国の金利差によって生じるスワップポイントも変わってきますので、受け取る金額も変わります。

トレーダーによって
注目している政策金利は異なります。

一般的に注目度が高い政策金利は、日本の日本中央銀行(日銀)、アメリカのFOMC、EUの欧州中央銀行(ECB)、オーストラリアの豪中央銀行(RBA)、ニュージーランドのニュージーランド準備銀行(RBNZ)など。

政策金利発表時、特に利上げや利下げがおこなわれ、金利が変わる際は為替市場にも大きなインパクトを与えるため、チャートも大きく動くことが多いです。

政策金利が発表されると
相場の値動きが激しくなることがあります。

金利が変わったからと言って、
必ず値動きが激しくなるわけではありません。

市場予想とは、
異なる結果になった際に大きく動きます。

市場予想では金利は据え置きと考えられていたのに、利上げや利下げがある場合、もしくは市場予想では利上げ・利下げと考えられていた中で据え置きだった場合です。

こういったケースの際に円高や円安、
ドル高やドル安などに一気に動きます。

1円近く円安・円高に動くことも少なくありません。

該当する国の政策金利発表時に
その国の通貨ペアの値が動くのが基本です。

主要通貨ペアでもある米ドル円などでは、FOMCによる政策金利発表時に市場予想と同じでも50pips以上はほぼ確実に値動きします。

さらに米雇用統計などの重要な経済指標発表時と重なったタイミングなどは、大幅にチャートが動くため、大きく稼ぐことができます。

日本でも日銀会合の結果、追加緩和がおこなわれたりすると大きく値動きします。

現状と変わらない据え置きでも、多少の値動きがあり、政策金利が発表される前は、重要人の発言1つで投資家達にインパクトを与え、株式市場と為替市場が大きく動きます。

各国の政策金利発表のタイミング前後には、取引を慎重におこなった方がリスク管理することができます。

勝負したいトレーダーは、このタイミングでトレンドに乗るよう取引し、大勝ちか大負けかを味わいたくないトレーダーやFX初心者は、このタイミングでの取引は避けた方が良いです。

政策金利の発表・変更は
市場へのインパクトは非常に大きいです。

その国の経済を表している数値の1つでもあるため、世界中の投資家達が注目しています。

特に主要国の政策金利発表時はチャートが大きく動く可能性が高いため、いつ発表されるのかをしっかりと把握したうえで、FX取引するようにしましょう!

そうしないと一夜にして
大負けということも十分にあり得ます。

しっかりと情報収集することでリスクを最小限にしておきましょう。

経済指標③
米雇用統計(非農業部門雇用者数,失業率)

 


米労働省労働統計局による1か月ごとの各セクターの雇用者数の増減や失業率の指標の中でも、最も注目されるのが非農業部門雇用者数と失業率の数値です。

米国では個人消費がGDPの6割にも上るため雇用情勢が個人消費、経済に与える影響はとても大きく経済・金融政策の転換の見極めにもなります。

また為替市場では事前の予想からある程度、相場が織り込んでいる場合が多いのですが、雇用統計ではこの予想との差が比較的大きく現れる場合があり、そのインパクトも経済指標の中ではナンバーワンとなります。

そのため雇用統計の発表前後の取引では、インターバンク市場(中央銀行に認定された特定の金融機関同士による為替取引をおこなう市場で、私たちが為替取引する際は、FX業者を通じてこのインターバンク市場へ注文が出されます。)

では、流動性が低下し注文が約定し辛くなったり、スプレットが異常に開いたり、さらにはFX会社へのアクセスが殺到しサーバーが落ちてしまうなんて事もあり、まさに最も注目され経済指標の王様とも呼ばれています。

経済指標④
住宅関係指標

 


住宅関連指標の中で、重要なのが新築住宅販売件数で、FXをはじめ株式投資など、さまざまな取引を行う際の参考になる経済指標の一つです。

新築住宅販売件数とは、前月28日~当月4日までにアメリカ国内で販売された新築住宅の件数のことです。

毎月、米商務省統計局が集計し、
月末24日以降に発表しています。

新築住宅販売件数は、中古住宅販売件数、住宅着工件数と並ぶ住宅指標の一つで、サブプライムローン問題以降は特に重要視されています。

新築住宅販売件数は、集計されたデータが直近であることや個人消費に占める割合が大きいことから、景気の状況を判断する材料とされており、FX市場でも注目度が高い経済指標です。

新築住宅販売件数が与えるFXへの影響は?

新築住宅販売件数のFXへの影響としては、中古住宅販売件数と同じく、住宅販売件数が伸びていれば、景気が回復もしくは良くなっているとの判断がされるため、通貨が買われやすくなります。

住宅の場合は、衣類や日用品などとは異なり、1戸あたりの金額が数百万円~数千万円と高額ですので、その分経済への影響も大きくなります。

経済指標⑤
消費者物価指数

 


消費者物価指数(CPI)は、FXをはじめ株式投資など、さまざまな取引を行う際の参考になる経済指標の一つです。

消費者物価指数(CPI)とは?

特定の国に限らず、米国やイギリス、
日本などで毎月発表される経済指標です。

発表される数字は、前年比や前月比など、過去のある時と比べて、対象となる商品の値段(物価)が何%上げ下げしたかを表したもので、

その状況から、インフレ傾向にあるのか、デフレ傾向にあるのかを判断する材料になります。

消費者物価指数(CPI)が、
FXに与える影響は以下の通りです。

消費者物価指数(CPI)の数字が前回よりも高い場合:

インフレ傾向にある

 物の価値が上がりはじめ、お金の価値が下がりはじめる

 物>お金

物価が上がり、インフレ傾向になると、対称的にお金の価値が下がってしまうため、物とお金のバランスをとるために、金利を上げる対策を取ることがあります。

そうすると、高金利になった通貨を買う人が増えるため、結果、通貨の値段が上がるきっかけとなります。

消費者物価指数(CPI)が前回よりも高い

   ↓

インフレ傾向にある

   ↓

金利を上げて、物とお金のバランスをとろうとする

   ↓

為替レートの上昇に繋がる

以上、代表するファンダメンタルズ分析に登場する専門用語及び指標について述べてきました。

このようにファンダメンタルズ分析は、各国政府の発表や政治、経済の動きに応じて、為替の行く末を占う指標です。

しかしながら、ファンダメンタルズ分析に依存して、為替売買を行うことは決して得策ではありません。

経済を例にすれば、ファンダメンタルは経済の流れを大筋で考えるマクロ経済であり、テクニカル分析はそれが反映され様々な相場の動きの傾向を分析するミクロ経済。

マクロを見て、ミクロで細かく対応する。

FX取引にもこうしたバランスの取れた対応を行うことが必要です。

また、重要なのは、日本の政府発表の指標ではなく、それぞれ自分が取引を行う通貨を持つ国の動きをしっかり見据えることです。

テロや北朝鮮リスクなど、
今、海外には様々な“リスク”が存在します。

こうした海外の社会情勢がどのように動くのか?
へ関心を持つことが重要です。

海外の政治、経済、社会への精通は、
必ずプラスに作用します。

FX初心者の方はこの根本を理解することなく、
運用を始めようとしますが、

為替はこうした要因に大きな影響を受けるものであるということを理解した上で取引にあたることを心がけましょう。

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