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オシレーター系テクニカル分析「ROC」とは、「買われすぎ」「売られすぎ」の相場の傾向を見極める?
今回は、オシレーター系のテクニカル分析におけるROCについて説明してゆきます。
ROCはRate Of Changeの略で、直訳すると変化率のことを指し、モメンタムの修正版となるオシレーター系のテクニカル指標です。
当日の終値と過去の終値の変化率によって、
「買われすぎ」・「売られすぎ」の相場の傾向を見極めます。
シャンデモメンタムオシレーターを改良したテクニカル分析です。
一定の周期で値動きをするレンジ相場を分析することで、相場の強弱や勢い、転換を見極めるためにROCが使われています。
オシレーター系テクニカル分析ROC計算式とは?
モメンタムは単に「過去の値動き幅」で計算されていますので、レート変動に大きく上下があると、モメンタムの数値も大きく変わってきてしまいます。
これに対し、ROCは「過去の値動きの上昇率・下落率」をパーセントで表していることから、相対的に変化の判断ができることになります。
ベースであるモメンタムの計算式は、
「当日の終値 - 直近n日の終値」です。
ROCの場合は、「(当日の終値 - n日前の終値) ÷ n日前の終値 × 100(%)」となります。
パラメーターは10日、20日、25日が一般的に多く使われていますが、短期間や、週足などの長期間で使うことも可能です。
オシレーター系テクニカル分析ROCの見方と使い方
ROCの見方は、
基本的にはモメンタムと全く一緒です。
100ラインが強弱の基準点となりますが、
チャート提供会社によっては「0」が基準となることもあります。
ROCが100より上なら「強気相場」
ROCが100より下なら「弱気相場」
100ラインがトレンドの境界となりますので、抜けた方向にエントリーするのがROCの基本的な使い方です。
上昇トレンドで100を上抜いたら、「買いサイン」
下降トレンドで100を下抜いたら、「売りサイン」
100ラインを抜けてからもなお、上昇(下降)が続いていたら、相場に勢いがあることを示すシグナルとなります。
100より上で上昇していれば、「上昇の継続を示唆する」
100より下で下降していれば、「下落の継続を示唆する」
また、ROCの傾き加減ではトレンドの強さを判断することができます。
角度が急であるほど勢いが強く、100付近で角度が横ばいであるほど相場に方向性がないことを表します。
ROCの反転で、売買タイミングを探る
オシレーター系指標ですので、
反転のタイミングを図ることができます。
モメンタムと同じく、前回の高い(低い)水準の位置での反転に注目してみてください。
ROCのダイバージェンス
ダイバージェンスとは、
価格とオシレーター系指標の逆行現象のことです。
これは、価格は上昇(下降)しているが、ROCは下降(上昇)している値動きとなっていればダイバージェンスが発生していることになります。
価格はの安値と安値は下降しているが、
ROCの安値と安値が上昇していれば「買いサイン」
価格はの高値と高値は上昇しているが、
ROCの高値と高値が下降していれば「売りサイン」
相場が天井圏/底値圏で推移しているときにダイバージェンスが現れたら、トレンド転換の信頼性はより高くなります。
ROCは期間の設定次第で、動き方が大きく変わってきます。
出来る限り移動平均線などのトレンド系を中心とした分析を行いながら、ROCで勢いや強弱を見つつ、エントリー・エグジットを図るのがよいと思います。
また、ROCの天井・底はパラメーターの期間や通貨ペアによって異なります。
チャートを表示させてみて、過去の転換となっているラインを基準にして判断に使うようにしてください。
モメンタム同様、先行性のある指標ですので、最適なパラメーター設定を行い、シグナルの精度を高めて分析していくようにしましょう。
前回の天井・底付近で反転したら決済のポイントにする。
ROCの買いサイン
上昇トレンドで100を上抜いたら、買いサイン。
ROCは相場の動きから逆行することもあります。
この逆行現象が出ているときは相場の反転のシグナルとされます。
レートが天井圏や底値圏で推移している時に、逆行現象が起きているときにこの現象の信頼度が高くなっているといえます。
しかし、このROCというテクニカル指標は、トレードのエントリーポイントが分かりづらく使いづらい上、信頼性もあまり高くないテクニカル指標です。
ですので売買シグナルを見るのには使用できません。
その場その場の相場観・トレンドの強弱を判断するために使用するテクニカル指標となっています。
「買いシグナル」や「売りシグナル」を判断するのに使用するのではなくて、現在のトレンドの強さを判断するために使用しましょう。
単独で使用することはオススメできませんので、他のテクニカル指標との併用でこのROCを使用する手段を考えましょう。
トレンド追従型のボリンジャーバンドや移動平均線などとのテクニカル指標の売買シグナルを使用して、ROCでトレンドの強さを確認してから、取引をするというのが良いでしょう。