14.テクニカル分析の種類「ダイバージェンス・ヒドゥンダイバー」逆行現象の意味とは?

14.テクニカル分析の種類「ダイバージェンス・ヒドゥンダイバー」逆行現象の意味とは?


ダイバージェンスとは、
「逆行現象」という意味の単語です。

これはオシレーター系のテクニカルで見られる現象なのですが、簡単に言うとテクニカル数値と実際のレートが逆に動く状態のことです。

例えば、ドル円が上昇を続けている状態を思い浮かべてください。

普通であれば、過熱感を示すオシレーター系のテクニカル数値も上昇を続けるように思いますよね?

だけど、あまりに上昇が続きすぎると、逆にテクニカル数値が下がってしまうことがあるのです。

このダイバージェンスは、
トレンドが終わる兆候を示すと言われてます。

「オシレーター系はトレンドに弱い!」、「オシレーター系はトレンドでは役に立たない!」なんてことが言われますが、ダイバージェンスをマスターすればトレンドにおいてもオシレーター系を活用できるようになります。

取引の幅が広がりそうですよね。

ダイバージェンスには次の2種類があります。

・ダイバージェンス

・ヒドゥンダイバージェンス

通常、「ダイバージェンス」というと1つ目のほうを指しますが、ヒドゥンダイバージェンスというのもあるのです。

ちなみに、ヒドゥンとはhidden(隠された)
という意味です。

隠れて見えにくいダイバージェンスという意味。

ダイバージェンス以上に使えるのでぜひ押さえておいてください。

それでは、それぞれについて見ていきましょう!

ダイバージェンスの意味とは?

 

それではチャートを見ていきましょう。

ピンク色の矢印にあるとおり、このチャートの中盤で上昇トレンドが出ていますよね。

レートはどんどん上がっている状態です。

この上げと同時にRSIもどんどん上昇していっています。

しかし、レートに比べて徐々にその勢いが弱くなっていきます。

これがRSIの特徴なんです。

そして、ついにはオレンジ色のところで、レートは上昇しているのにRSIは下降するという逆行が起こります。

これがダイバージェンスです。

これがトレンド終了の兆候とされるサインです。

その後は、サイン通りに上昇トレンドは終了し、下降トレンドへと反転していっています。

ダイバージェンスの判定の仕方について

ちなみに、このレートの動きやテクニカル数値の逆行を見るときは、上値や下値で見比べるのが一般的です。

今回の上昇トレンド中であれば上値に注目して、「レートが上値を更新しているのに、テクニカル数値は上値を更新できなかった」となったらダイバージェンス確定です。

下降トレンド中であれば逆で、下値に注目して、「レートが下値を更新しているのに、テクニカル数値は下値を更新できなかった」という判定をします。

ダイバージェンスはこういった上値下値が確定したときに判定可能となりますが、リアルタイムでチャートを見ていると「ダイバージェンスが起こりそうだぞ!」というときがあります。

トレードをするときは、上値下値が確定する前の段階で、「ダイバージェンスが起こりそうだから、この後はこう動きそうだ!」というかんじで相場を見ていくことになります。

ダイバージェンスのここに注意して!

このダイバージェンスには注意点もあります。

それが、今回のチャート例のようにダイバージェンスがうまく機能することもありますが、これはあくまでトレンド終了の兆候にすぎないと思っておいたほうがいいでしょう。

強いトレンドのときは、ダイバージェンスが出続けながらも上値下値を更新し続けるということがしばしばあります。

そうなると、トレンド方向への逆張りなので、際限なく損失が拡大してしまう可能性が出てしまいます。

そのリスクを考えると、ダイバージェンスのみで逆張りエントリーをするのは少々無謀だと思います。

ダイバージェンスはあくまで取引根拠の補強として使ったり、イグジットポイントとして利用するのがちょうどいいでしょう。

ヒドゥンダイバージェンスの意味とは?

 


テクニカルは先ほどと同様です。

ダイバージェンスは大きなトレンドに逆行する狙いなのに対し、ヒドゥンダイバージェンスは大きなトレンドに乗って行く狙いです。

逆行現象という意味では同じなんですが、狙いは逆になるというのをまず押さえてください。

ピンク色の矢印のとおり上昇トレンドになっていて、レートは下値切り上げを繰り返す展開です。

ですが、RSIに注目するとオレンジ色のところに注目すると、下値を更新してしまっている部分があります。

レートとRSIが逆行するダイバージェンスの状態ですね。

ここが押し目でエントリーするポイントになるわけです。

意味合いとしては、「上昇トレンドのなかの調整の下落が、RSIが下値更新するくらいに行き過ぎちゃっている」ということになります。

上昇トレンドのなか下がりすぎているんだから拾っちゃえ、っていうことですね。

その後は、サインのとおりここを押し目としてもう一段の上昇する形になりました。

ヒドゥンダイバージェンスの判定の仕方について

ダイバージェンスは上昇トレンドであれば、上値を使って判定を行いました。

これに対して、ヒドゥンダイバージェンスは上昇トレンドであれば、レートの下値の切り上げを使って判定を行っていきます。

下降トレンドであれば、レートの上値の切り下げを使うことになるわけです。

上値下値を使うという意味では同じですが、見方がさきほどとは逆になるので注意してくださいね。

実際のトレードにおいては、調整の反転前にヒドゥンダイバージェン状態が起きているのが確認できます。

ですが、そうなったのを確認して飛びついてエントリーするのではなく、ヒドゥンダイバージェンス状態が起きてからなんらかの反転のサインを確認したうえでエントリーすると、より取引の確度を増すことができます。

他のテクニカルを利用してもいいですし、1つ下位足での反転サインを見届けるというのも手ですね。

ヒドゥンダイバージェンスのイグジットポイント

ヒドゥンダイバージェンスのサインが出ていても、相場なのでうまくいかないときもあります。

そのときはどうすればいいかについても、
最後に触れておきます。

ヒドゥンダイバージェンスを使ったトレードは、大きなトレンドが継続するという前提でのトレードです。

この前提が崩れたときに、
これを使ったトレードの失敗が確定します。

その判定方法は色いろありますが、例えばダウ理論をベースに考えてみると、トレンドの上値下値の更新が終わってしまったタイミングがイグジットポイントになります。

例えば、さきほどのチャートで言うと、ヒドゥンダイバージェンスでエントリーしたものの、レートが前回下値を下回ってしまったときですね。

上方向で言えば、前回上値を更新できずに跳ね返された場合にイグジットすることになります。

ダイバージェンスに比べると、イグジットポイントが明確なので多少やりやすいかもしれません。

まとめ


いかがでしたか?

判定のポイントを押さえてしまえば、思ったほど難しくなかったのではないでしょうか。

ダイバージェンスは絶対のサインではありませんが、取引をしていくうえでの根拠の補強としてはかなり使い勝手がいいサインです。

すでに別の手法をやっているという人でも、
フィルターの1つとして追加もしやすいです。

ぜひ新しい観点を取り入れて、
確度のあるトレードの役に立ててくださいね!

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