相場の勢いを知ることができるとても便利なオシレーター系テクニカル分析「モメンタム」とは?


オシレーター(Oscillator)とは「振動するもの」という意味で、シーソーや振子のように行ったり来たりするものを表す言葉です。

テクニカル分析においては、チャートがある一定の範囲を上下に往復するタイプのものを指し、何種類も開発されています。

オシレーター系の分析手法は、
一般的に逆張りで威力を発揮するものが多く、強いトレンドが出て大相場になったときなどは騙しが出やすいので注意が必要です。

以下はオシレーター系テクニカル分析の主な特徴です。

1.基本的にトレンド分析を補完するものである。

2.有効な局面と有効でない局面があることを意識する必要がある。

3.強いトレンドが出て大相場になったときなどはだましが出やすい。

4.トレンドの終盤で有効なことが多い。

代表的なオシレーター系テクニカル分析には以下のようなものがあります。

モメンタム

ROC

RSI

ストキャスティック

RCI

今回は、「モメンタム」について触れてゆきたいと思います。

英語で書くとmomentumですが、
これは「勢い」という意味を持っています。

この文字通りなんですが、モメンタムは相場の勢いを知ることができるとても便利なテクニカルです。

モメンタムの取引手法や使い方


モメンタムを利用する事で何が分かる?

モメンタムは、下のサブチャートに表示されている青いラインのことです。

見方はとても簡単でシンプル。

モメンタムが上のほうにあれば「上昇の勢いが強い」、下のほうにあれば「下降の勢いが強い」

ということを示してくれます。

モメンタムの値には上限下限は決まっていませんが、見るときにポイントになるのがゼロのライン

ゼロよりも上にモメンタムが位置しているときは上昇トレンド、ゼロよりも下に意思していれば下降トレンドということが分かります。

ゼロより上か下かが1つの判断軸!

ゼロよりも上か下かで、そのときの相場がどちらに向いているのか、方向性が分かるということです。

また、ゼロより上にあればあるほど上昇の勢いが強い下にあればあるほど下降の勢いが強いということも分かります。

トレンド転換を見極めよう!

さらに、モメンタムを使えば、
トレンドの転換を見極めることができます。

ゼロを挟んで、トレンドが切り替わることになるので、ゼロをクロスして抜けていけばトレンドが転換するということですよね。

例えば、ゼロを上から下に抜いていった場合には、上昇トレンドから下降トレンドに転換したということになるわけです。

このように、モメンタムは相場の方向性とその勢いの強さの把握、さらに、トレンドの転換を見極めもできてしまいます。

単純なグラフにも見えるかもしれませんが、
モメンタムはいろんなことが分かる便利なテクニカルなのです。

モメンタムに関する豆知識

モメンタムの持つ意味合いを、
他のテクニカルとの関連性で見ていきます。

このあたりを知っておくことで、
モメンタムについてより深く理解できるようになると思います。

単純移動平均線の傾き

モメンタムは、
単純移動平均線の傾きと深い関係があります。

例えば、モメンタムのパラメータを21とした場合、モメンタムの値がプラスであれば単純移動平均線の21本線の傾きは右上がりとなります。

同様に、モメンタムの値がマイナスであれば右下がり、モメンタムの値がゼロであれば水平になります。

つまり、モメンタムは単純移動平均線の傾きをグラフ化したものとも言うことができるんです。

あとどのくらいで単純移動平均線の傾きの方向が変わるのかということが、グラフとして表示されることで見える化されるという利点もあります。

もし、この目的でモメンタムを使いたいのであれば、ご自身が傾きをチェックしたい単純移動平均線に合わせてパラメータを設定しておくといいでしょう。

一目均衡表の遅行線

一目均衡表には、
遅行線というラインがあります。

この遅行線というのは、ローソク足を26本分左に移動させたラインですが、つまりはローソク足26本前の終値と比較しているということです。

これってモメンタムの考え方と全く同じですよね。

遅行線に合わせてモメンタムのパラメータに26を設定することで、遅行線で分かることをモメンタムでチェックすることができるんです。

遅行線で一番大きなサインは遅行線によるローソク足のブレイクですが、これはトレンド発生を示唆するサインです。

モメンタムを26に設定しておけば、モメンタムがゼロのラインをブレイクすることで、遅行線によるトレンドの発生のサインをチェックすることができるというわけです。

他のテクニカルとの相性

取引におけるモメンタムの使い方ですが、単独で使用してするというよりは、どちらかというと他のテクニカルと組み合わせて使用するケースが多いです。

モメンタムの性質を理解したうえで、どういった目的で使用するかを明確にして使用するといいでしょう。

モメンタムの性質の1つは、相場の方向感を見極めつつ、トレンドの勢いを見極められるというものがありましたよね。

この特徴を活かすのであれば、モメンタムによって全体の流れを把握することでトレードの目線を決め、その目線に従って他のテクニカルを使ってエントリーを決めるという使い方ができます。

この他のテクニカルには、方向感を取るのは苦手だけど、細かくエントリータイミングを捉えるのが得意なテクニカルがおすすめです。

例えば、切れ味鋭いストキャスティクスやウィリアムズ%Rとの相性が良いですね。

モメンタムの取引サインはゼロラインのブレイク

モメンタムのもう1つの性質は、トレンドの転換を見極めることができるというものでしたね。

このトレンド転換の直接のサインとなるのが、
モメンタムによるゼロラインのブレイクです。

このサインに従って取引する場合は、トレンドが転換した方向へエントリーしていくことになります。

ただし、ゼロラインのブレイクはわりと頻繁に起こります。

このサインだけでエントリーすることもできますが、他のテクニカルのサインも合わせて、総合的にエントリー判断をすることをおすすめします。

モメンタムを使った取引事例

サブチャートがモメンタムで、パラメータは10です。

ダウ理論ベースでチャートを見ると、
上値切り下げ、下値切り下げが続いていることから、チャートの全体のトレンドは下げトレンドが続いていることが分かります。

そのなかで、モメンタムのゼロラインのブレイクを使ってエントリーしていきます。

全体のトレンド方向にエントリーしたほうが確率が高いので、ショート目線でのエントリーになります。

つまり、モメンタム的にはゼロラインを上から下へのブレイクがサインになりますね。

イグジットは、逆方向にゼロラインをブレイクしたタイミングにします。

これに従えば、例えば、濃いオレンジのところでゼロラインを上から下にブレイクしているのでショート。

この次の逆方向にゼロラインをブレイクするのが薄いオレンジ色のところなので、ここでイグジットという形になります。

同様に、濃い緑のところでショート、
薄い緑のところでイグジットもできますね。

他にもいくつかエントリーポイントがあるので探してみてください。

シンプルだけどいい働きをしてくれるのがモメンタム。

モメンタムの計算式


モメンタムの計算式は非常にシンプルで、
以下のようになっています。

モメンタム=当日の終値(または現在値)-ローソク足N本前の終値

この計算式の意味を言葉でいうと、
当日の終値(または現在値)がローソク足N本前に比べて、どれだけ上がったか、または、下がったか、ということです。

つまり、比較する日よりも値が上がっていれば相場は上昇の勢いが出ているし、値が下がっていれば相場は下降の勢いが出ているということになります。

計算式を見ると当たり前のことのようにも思えるんですが、相場の状況を明示してくれるという意味で、モメンタムは使い勝手のいいテクニカルだと思います。

モメンタムのパラメータ

モメンタムのパラメータは、
計算式におけるNの部分です。

つまり、何日前と比較するのかという部分を、
パラメータによって変更できるということです。

一般的に使われるパラメータは日足であれば、10や20といったところが使われることが多いと思いますが、この部分についてはいろいろと調整しながら、自分の手法に合ったものを探す方が多いと思います。

初めのうちは、チャートツールのデフォルトの値を使いつつ、少しずつ数値を変えてみてください。

また、モメンタムの持つ意味合いに応じてパラメータを変えるのもおすすめです。

今回は非常にシンプルだけど、
意外と使えるモメンタムを紹介しました。

移動平均線や一目均衡表とも関係があって、いろんな機能が満載のマルチプレーヤータイプのテクニカル。

協力プレイが得意なテクニカルでもあるので、
一度、今使っているテクニカルにモメンタムを加えてみてはいかがでしょうか。

なかなか役に立つ働きをしてくれるかもしれません。

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